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あのときは、つらかったね。
一人一人から拒絶されて、非難され、扉が一つ、また一つと閉まっていく音を聞いていたね。
人間の絆の扉が全部閉まったとき、死の扉が開き、死神がやさしく、やさしく招いてくれたね。
そこには、生と死の垣根がなかった。溶けるように、誘われるように、死にいざなわれていった。
あのとき、あなたは、肉体の死を、心が楽になる手段と思っていたんだよね。なんの抵抗もなく…。

「ちっともみんなはわかってくれない」という言葉が心の中にあったね。まっ暗闇で、絶望がおそってきた。孤立…ひとりぼっち。
今思えば、周りや現実が全く見えていなくて、自分の思い込みの中にだけいたんだと思うよ。そして、その考えが絶対正しい、と信じていた。
しがみついていたんだよ。
肉体をほろぼすのではなく、しがみついている執着を手放すことが必要だったね。

でも、そのときは無理だった。

今だと、思い込みや正しさに執着すると、他人とぶつかって、戦いが起こる。
心は苦しくなるんだよ。この苦しさが、執着のサインだと知り、自分がにぎっている執着を、手をぱあにして手放すんだ。そうすると…
本来のあるがままの自分にもどれるんだよ。

今のるり子ちゃんより

絵とビジョンの力 
自死からの生還「命の叫び」6人展
2024年11月26日(火)~12月1日(日)