「幼少期」
いじめられっ子だった私は、場面緘黙児でもあった。
家に帰るとしゃべるけれど、幼稚園ではしゃべらない。
つねられ、ひっかかれ髪の毛をひっぱられ、苦しい気持ちを、家に帰ると絵に描いていた。

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「思春期」
学校や友人、社会に適応するふりをする一方、
心の中では、自分が誰かがわからなくなっていった。
「私がない」、「本当の私がいない」…。

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「青年期前期」
大学を卒業し、はじめて念願の精神科の職場に入り、社会人に仲間入りした。
職場での同僚たちから意見の食い違いがあり、それが誘因となり自殺未遂をする。
同僚から「愛を切られた」と思った。
「あったかいものが欲しい」…。

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「青年期中期」
この頃、結婚し、子どもを産み、そして、精神科の仕事にも復帰するまでになっていた。
私は、見た目には正常に見えるまで狂気から回復していた。
しかし、心の中は、精神科の仕事についていながら、
「精神科の患者になってしまった。
狂気に落ち込み、普通以下になってしまった」と思い、
せめて「普通になろう」と決意した。

「青年期後期」
パニック障害や抑うつ状態という狂気から脱出し、普通に生活していたけれど、本当に生きるとは何か? の探究が最後まで残されていた。
結婚、子ども、お金、仕事などすべてを獲得したけれど、私にはまだ心の飢えがあった。
満足できない心の衝動…。

絵は私を救い、導く友である。
絵は、心のフラストレーションを浄化し、発散させ、治癒させる医者である。
絵は、今の心の状態を見せてくれ、フィードバックし、成長させる教師である。
絵は、可能性に満ちた未来のビジョンを創造する力を持つパートナーである。
絵は、家族のように愛と自由を与えてくれる命である。

絵とビジョンの力
自死からの生還「命の叫び」6人展 
2024年11月26日(火)~12月1日(日)
於 中和ギャラリー