以前、「絵から性格傾向を見る」というテレビ局の企画で取材を受け、地井武男さんの絵を拝見しました。
俳優の地井武男さんは絵が趣味で、ご自身もテレビ朝日の番組「ちい散歩」の中でも絵手紙を紹介していました。
今日は、彼の絵から、才能とその活かし方、について見ていくね。
まず、彼の才能を見てみましょう。
1枚目の絵は、うさぎがかごを持っている絵。
収穫の実りが落ちてくるのを待っているところだね。
うさぎはトリックスター(ユング心理学の元型:アーキタイパルイメージ、の一つ。
実質の王としての知恵をつかさどるもの)。
彼は男性なんだけど、ファンタジーの絵やうさぎというかわいらしい象徴を選んで描いているところから、内面は女性的であることが伺えるね。
つまり、目的達成的でばりばり行動したり、主義主張を通すより、うさぎのように聞き耳を立て状況判断し、協調性に富み、愛とか知恵、感性が勝っている人のようだ
ね。
2枚の絵も、「冬枯れの木」というタイトルがついているけど、この木の枝ぶりは見事で、豊かに描かれている。
バウムテスト(樹木画)の分析から、幾重にも重なって伸びている小枝の描き方は、
彼が多彩な才能や感性の持ち主であること、そして、状況の全体的把握ができる頭のいい人であることが読み取れる。
3枚めの橋の絵は、海外に取材に行ったときに描いたものだそうだよ。
一番目立つのは橋。
彼が、2つの世界、人と人、地域で生活している人と自分等つながりや絆を大切にしていたことがわかる。
他者や周囲に暖かな思いやりをかけられる人だったのではないかな?
4枚めは、塔の絵。
おそらく、これも旅先で描いた絵。
塔は、幽閉された魂。
重苦しい絵だけど、もし、これが彼の心象風景だとしたら、しんどいね。
たくさんの才能や感性、そして自分の正直な思いを塔に閉じ込めていたのかな?
次に、彼の絵から、才能をさらに活かすためのポイントを見ていくね。
彼の絵は、「待ち」の姿勢の絵が多く見受けられるね。
「待ち」の姿勢、受動的な絵の場合には、自分で目標を持ち、それに向かって行動するといいね。
時に、貪欲さも必要だね。
彼の絵は、固く、知性的で理性的でもあるね。
豊かな才能や感性を持っているけど、時には、自分の役割を外して、他人にどう思われようと本能のまま暴れてみるのもいいかもしれないね。
最後に、海と少年の絵を紹介するね。
これは、ある絵の裏側に描かれていた絵だよ。
「2枚画法」の裏側に描かれた絵には、本人の本音が表れる、と習ったね。
忍耐強く整えられた1枚目の「風景画」の裏側に、海辺を自由に駆け巡る少年の姿。
犬をお供に砂浜を喜んでかけっている。
わぁー、楽しそう…。
彼は、本来、自由で囚われない軽やかさを持った永遠の夢見る少年だったんだね。