卒業後、活動を始めて15年。アートセラピーは「運命の出会い」!
細萱 えり | 子どもアトリエc-po 主宰
細萱 えり | 子どもアトリエc-po 主宰
アート・セラピーに出会う前は、子育てをしながら暇をみつけて創作活動をしていました。
子どもが成長するにつれ、経済的にも今のままでは何かが足りないと思うようになり、自分に何ができるかを改めて考えるようになりました。
会社勤めの経験から自分は勤め人には向かないとわかっていましたが、手に職をつけるにもなんの取柄もなく悩んでいた時、ネットで目にした「アート・セラピー」という言葉を見て、居ても立ってもいられなくなり、オーロラの門をたたきました。
オーロラでの学びは、「心が悦ぶとは、こういう事か!」と目から鱗が落ちる驚きと発見の連続で、とても楽しかったのを覚えています。自分自身も含め一人ひとりに無限の可能性があることに気づかされ、子どものアート教室で活かしたいと思うようになり、リニューアルしました。
知る人ぞ知る教室で良いと思い、看板も出さず開業当初は苦労もありましたが、口コミで生徒さんが増え始め新聞にも取り上げられました。3年目には教室を建設し、より多くの生徒さんを受け入れられるようになり、現在は片道1時間の遠方からも生徒さん達が通う教室に成長することができました。
山あり谷ありの人生でしたが、オーロラでアート・セラピーを学んだ事は、私の人生のターニングポイントで、その後の人生をより豊かにすることができ、とても感謝しています。
子どもアトリエc-po のコンセプト
アトリエには、何らかの障害を持っているお子さんが半数以上います。いろんな人がいて社会が成り立っているという観点から、障害の有無・年齢でクラス分けをしていません。その時間に集まった生徒さん(4歳~中3)が、同じクラスで一緒に学んでいます。5才、小3、5、6、中3が一緒に活動しているクラスもあり、異年齢同士の子どもたちが「学び合い」できるのが特徴です。
絵や造形を通して、自信・情操面育成・自ら成長し続ける力をつけます。
子どもとの体験談
どんな子どもも「きっかけ一つ」なんだな、とすごく思います。子どもは、ちょっとしたきっかけでぱか~んと可能性の扉が開きます。この子は、この程度と決めつけるのはもったいないと感じています。
1.年長で、「絵が描けない」と連れてこられたお子さんは、1時間かけてやっと3本の線を描けただけでした。小学校入学時は「字」が書けず、本人も「僕は、馬鹿だ…」と落ち込んでいました。しかし、偶然書いた線が、漢字の「山」に似ていたので、漢字は絵から崩れて字になった事を教えてあげると、漢字に興味を持ち、自分から新聞で漢字を勉強するようになりました。そして、小学校5年生になったとき、「僕は、算数はできないけど国語と絵と体育が得意だ!」と言って、教室を卒業していきました。
2.「無理!」「できない!」が口癖の小学校3年生がいました。それを見て、私は一つ宿題を出しました。「『無理、できない』と言う代わりに、次回のレッスンまでの間、『私はできる!』と言ってみて」と。すると次の週、その子が教室に飛び込んできて私にこう言ったのです。
「先生! 先生の言う通りにしたら、100点取れたー!」
「こんなことは、初めてだ~!」
その子もお母さんもとても嬉しそうでした。