今日、紹介するのは系統的自由画法!
系統的自由画法では、自由画を継続的に描いていきます。
毎回、心に浮かんだものに焦点を当て、自由に絵にします。
作品が4~5枚になったら、セラピストが、描き手の傾向をまとめ、次のステップを提案します。
今回の絵は、50代男性、教育者の絵。




4枚の絵の共通点が見えたかな?
筆圧が薄いので、やさしい男性のように見える。
色が明るく、軽やかで、楽しげで、彼がポジティブで明るい人柄であることがうかがえる。
手や地球、水源などのモチーフと、放たれた丸いボールたちの対比は、人へのサポートや応援、人に与えることに焦点があたっていると捉えられる。
絵の左下から右上、下から上へのベクトルは、未来志向型で、人々がより良くなることを望んでいるように見える。
次のステップとして提案したのは、
「筆圧を強くして、茶色などの汚い色4枚の絵の共通点が見えたかな?
すべての絵がきれいな明るい色で、人(自分自身)が描かれている。
しかも、どの人物にもアクション(動き)があり、輪郭線から描かれている。
このことから、彼女が笑顔で、元気で、ポジティブに生きようとしていることがわかる。
また、蹴る、火をふく、こぶしを握るという動きはオーバーアクションなので、積極的な性格とは裏腹に、心の中では不安や緊張を感じている様子が伺える。
輪郭線は自分の中の枠を表し、自分の理念や概念の枠にしばられ、不自由感を感じているように見える。
彼女のテーマは、力を抜いて、自分自身にくつろぐことのようだね。
そこで、次のステップとして提案したのは、
「汚い色を使って、他人と自分が関わっている絵を描いてごらん」
「攻撃的ではなく、楽しい気持ちで描いてごらん」
「輪郭線からではなく、色を塗ることを最初にしてごらん」
そして、次の絵が描かれる。を使い、心のままになぐり描いてごらん」
「人ではなく、自分の内側に焦点をあててごらん」
そして、次の絵が描かれる。

二人の人がハートを感じながら、背中合わせに座っている。
周りの人々がそれを祝福しているよう。
和気あいあいとして、ハートの中に一つに溶けているようなステキな絵だね。
楽しくて、ワクワク!!
さて、この絵を描いた時、描き手はどんな風に感じたのかな?
描いた当初は、「変な絵」、「好きではない」と思ったとのこと。
抵抗、反発が出てきたんだね。
そして、改めて眺めた時、「ネガティブな自分を認めるってこの感覚かもしれないなぁ…」と思ったとのこと。
ダメなところの受容がはじまったんだね。
「汚い色なのに、やさしい感じ」がするとのこと。
そして最後に、「ネガティブな私でも大丈夫。こんな自分があっていい!!」と本人。
なじみのない自分を認めるのって、むずかしいよね。
でも、彼女は、ダメな自分にもOKを出したんだね。
そして、次のステージはあるがままの自分をまるごと許すことだね!
この技法は、いつも本人が無意識にとっている習慣や行動のパターンから脱却し、本来の自分や次のステップを教えてくれるんだよ。
絵を通して変容を起こすことができる、画期的なアートセラピー・テクニックなんだ。